前受収益
前受収益とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算書から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。
参考:企業会計原則注解:5(2)
仕訳例
(1) 翌期以降に計上すべき家賃収入を前受収益に振替
3月決算にあたり、4月分の家賃収入600,000円を前受収益へ振替えた。
借方 | 貸方 | ||
雑益/受取家賃 | 600,000 | 前受収益 | 600,000 |
(2) 前受収益に計上した家賃収入を受取家賃に振替
上記(1)で計上した前受収益を期首に受取家賃に振替えた。
借方 | 貸方 | ||
前受収益 | 600,000 | 雑益/受取家賃 | 600,000 |
(3) 翌期以降に計上すべき受取利息を前受収益に計上
決算にあたり、翌期に計上すべき受取利息500,000円を前受収益へ振替えた。
借方 | 貸方 | ||
受取利息及び割引料 | 500,000 | 前受収益 | 500,000 |
(4) 前受収益に計上した受取利息を受取利息及び割引料に振替
上記(3)で計上した前受収益を期首に受取利息及び割引料に振替えた。
借方 | 貸方 | ||
前受収益 | 500,000 | 受取利息及び割引料 | 500,000 |