固定資産除却損
固定資産の除却をした場合、除却した資産の取得価額から当該資産の減価償却累計額を控除した額の損失が発生する。除却に際して手数料等の付随費用等が生じた場合にはこの損失に加算する。
もともと耐用年数は、企業がその利用期間にわたって減価償却により費用配分する期間であるため、その途中における除却損は減価償却費の修正、すなわち会計上の見積りの修正としての性格を持つものと考えらる。よって、固定資産除却損は、臨時損益として特別損失に表示する。
参考:財務諸表等規則95条の2、95条の3
仕訳例
(1) 処分費用が発生する場合
今までの空調設備が老朽化したため廃棄処分した。その空調設備の取得価額は4,000,000円、減価償却累計額は3,60,000円である。処分費用を別途1,080.000円支払った。
借方 | 貸方 | ||
減価償却累計額 | 3,600,000 | 建物/附属設備 | 4,000,000 |
固定資産除却損 | 1,400,000 | 預金/当座預金 | 1,080,000 |
仮払消費税等 | 80,000 |
(2) 貯蔵品とする場合
設備の工作機械を使用しなくなったので、倉庫へ保管することとした。取得価額は10,000,000円、減価償却累計額9,000,000円、スクラップ価額は500,000円と予想される。
借方 | 貸方 | ||
減価償却累計額 | 9,000,000 | 機械及び装置 | 10,000,000 |
貯蔵品/機械及び装置 | 500,000 | ||
固定資産処分損 | 500,000 |
(3) 売却した場合
社用の乗用車を使用しくなったので、売却した。取得価額は3,000,000円、減価償却累計額1,500,000円、売却価額は1,080,000円であった。
借方 | 貸方 | ||
減価償却累計額 | 1,500,000 | 車両運搬具 | 3,000,000 |
預金/当座預金 | 1,080,000 | 仮受消費税等 | 80,000 |
固定資産処分損 | 500,000 |