会計やさんのメモ帳 
 

新株予約権

純資産の部の表示

T 株主資本

1 資本金

2 新株式申込証拠金

3 資本剰余金

(1) 資本準備金

(2) その他資本剰余金

資本準備金の取崩額

自己株式処分差額

資本剰余金合計

4 利益剰余金

(1) 利益準備金

(2) その他利益剰余金

××積立金

繰越利益剰余金

利益剰余金合計

5 自己株式

6 自己株式申込証拠金

株主資本合計

U 評価・換算差額等

1 その他有価証券評価差額金

2 繰延ヘッジ損益

3 土地再評価差額金

評価・換算差額等合計

V 新株予約権

純資産合計

 

新株予約権とは、株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいい、新株予約権を付した社債を新株予約権付社債という。

新株予約権に係る項目は、自己新株予約権に係る項目を控除項目として区分することができる。

新株予約権の会計処理

1 発行時の会計処理

新株予約権は、その発行に伴う払込金額を、純資産の部に「新株予約権」として計上する。

2 権利行使時の会計処理

(1) 新株を発行する場合

新株予約権が行使され、新株を発行する場合の会計処理は、当該新株予約権の発行に伴う払込金額と新株予約権の行使に伴う払込金額を、資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える。

(2) 自己株式を処分する場合

新株予約権が行使され、自己株式を処分する場合の自己株式処分差額の会計処理は、自己株式を募集株式の発行等の手続により処分する場合に準じて取り扱う(企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」第9項から第11項)。

なお、自己株式処分差額を計算する際の自己株式の処分の対価は、当該新株予約権の発行に伴う払込金額と新株予約権の行使に伴う払込金額との合計額とする。

3 失効時の会計処理

新株予約権が行使されずに権利行使期間が満了し、当該新株予約権が失効したときは、当該失効に対応する額を失効が確定した会計期間の利益(原則として特別利益に該当する。)として処理する。

参考:会社法第2条第21号、第22号、会社計算規則第76条第8項

 


仕訳例目次

(1) 新株予約権の募集

(2) 新株予約権の行使

(3) 新株予約権の失効

(4) ストック・オプションの付与

 


仕訳例

(1) 新株予約権の募集

新株予約権を10,000,000円で募集し当座預金に入金した。

 
借方貸方
預金/当座預金10,000,000新株予約権10,000,000

 


(2) 新株予約権の行使

発行価額8,000,000円の新株予約権に対し、自己株式を交付した。新株予約権を行使した際の払込金額は6,000,000円で当座預金に入金した。自己株式の調達額は15,000,000円であった。

 
借方貸方
預金/当座預金6,000,000自己株式15,000,000
新株予約権8,000,000  
その他資本剰余金/自己株式処分差損1,000,000  

 


(3) 新株予約権の失効

新株予約権の権利行使期間満了時に新株引受権の権利行使未済分が2,000,000円あった。

※ 新株予約権の権利行使のない場合、失効が確定した会計期間の特別利益に計上する。

 
借方貸方
新株予約権2,000,000新株予約権戻入益2,000,000

 


(4) ストック・オプションの付与

(この設例は企業会計基準適用指針第11号の設例から抜粋したものです。)

A社は、X3年6月の株主総会において、従業員のうちマネージャー以上の者75名に対して以下の条件のストック・オプション(新株予約権)を付与することを決議し、同年7月1日に付与した。

@ ストック・オプションの数:従業員1名当たり160個(合計12,000個)であり、ストック・オプションの一部行使はできないものとする。

A ストック・オプションの行使により与えられる株式の数:合計12,000株

B ストック・オプションの行使時の払込金額:1株当たり75,000円

C ストック・オプションの権利確定日:X5年6月末日

D ストック・オプションの行使期間:X5年7月1日からX7年6月末日

E 付与されたストック・オプションは、他者に譲渡できない。

F 付与日におけるストック・オプションの公正な評価単価は、8,000円/個である。

G X3年6月のストック・オプション付与時点において、X5年6月末までに7名の退職による失効を見込んでいる。

H X5年6月末までに実際に退職したのは、5名であった。

I 年度ごとのストック・オプション数の実績は以下のとおりである

 
 未行使数
(残数)
失効分
(累計)
行使分
(累計)
摘 要
付与時12,000 
X4/3 期11,840160退職者1名
X5/3 期11,520480退職者2名
X6/3 期8,0008003,200X5/4〜6月の退職者2名、行使20名
X7/3 期4,0008007,200行使25名
X8/3 期1,12010,880行使23名、失効2名

 

J 新株予約権が行使された際、新株を発行する場合には、権利行使に伴う払込金額及び行使された新株予約権の金額の合計額を資本金に計上する。

(1) X4年3月期

<人件費の計上>

 
借方貸方
株式報酬費用32,640,000新株予約権32,640,000

(注)8,000円/個×160個/名×(75名−7名)×9月/24月=32,640,000円

・ 期末時点において、将来の失効見込みを修正する必要はないと想定している。

・ 対象勤務期間:24月(X3年7月−X5年6月)

・ 対象勤務期間のうちX4年3月末までの期間:9月(X3年7月−X4年3月)

(2) X5年3月期

<人件費の計上>

 
借方貸方
株式報酬費用44,640,000新株予約権44,640,000

・ 期末時点において、将来の累計失効見込み額を6名に修正した。

8,000円/個×160個/名×(75名−6名)×21月/24月−32,640,000円=44,640,000円

対象勤務期間:24月(X3年7月〜X5年6月)

対象期間のうち、X5年3月末までの期間:21月(X3年7月〜X5年3月)

(3) X6年3月期

<人件費の計上>

 
借方貸方
株式報酬費用12,320,000新株予約権12,320,000

(注)8,000円/個×160個/名×(75名−5名)×24月/24月−(32,640,000円+44,640,000円)=12,320,000円

ストック・オプションの行使:その1−新株を発行する場合

 
借方貸方
預金/当座預金240,000,000資本金256,600,000
新株予約権25,600,000  

(注1) 払込金額 75,000円/株×160株/名×20名=240,000,000円

(注2) 行使されたストック・オプションの金額 8,000円/個×160個/名×20名=25,600,000円

ストック・オプションの行使:その2−自己株式を処分する場合

ストック・オプションの行使を受け、A社は自己株式を処分する。処分する自己株式の取得原価は1株当たり70,000円であったとする。

 
借方貸方
預金/当座預金240,000,000自己株式224,000,000
新株予約権25,600,000その他資本剰余金/自己株式処分差益41,600,000

(注1) 払込金額 75,000円/株×160株/名×20名=240,000,000円

(注2) 処分した自己株式の取得原価 70,000円/株×160株/名×20名=224,000,000円

(注3) 行使されたストック・オプションの金額 8,000円/個×160個/名×20名=25,600,000円

(4) X7年3月期

<ストック・オプションの行使>

ストック・オプションの行使を受け、A社は新株を発行する。

 
借方貸方
預金/当座預金300,000,000資本金332,000,000
新株予約権32,000,000  

(注1) 払込金額 75,000円/株×160株/名×25名=300,000,000円

(注2) 行使されたストック・オプションの金額 8,000円/個×160個/名×25名=32,000,000円

(5) X8年3月期 

<ストック・オプションの行使>

ストック・オプションの行使を受け、A社は新株を発行する。

 
借方貸方
預金/当座預金276,000,000自己株式305,440,000
新株予約権29,440,000  

(注1) 払込金額 75,000円/株×160株/名×23名=276,000,000円

(注2) 行使されたストック・オプションの金額 8,000円/個×160個/名×23名=29,440,000円

<権利行使期間満了による新株予約権の失効>

新株予約権のうち、権利行使期間中に権利行使されなかった(権利不行使による失効)分については、新株予約権戻入益として利益に計上する。

 
借方貸方
新株予約権2,560,000新株予約権戻入益2,560,000

(注)8,000円/個×160個/名×2名=2,560,000円

 

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