会計やさんのメモ帳 
 

長期前受収益

長期前受収益とは、前受収益のうち、貸借対照表日の翌日から起算して1年を超える期間を経て収益化されるものをいう。

なお、前受収益とは、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算書から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。

前受収益は1年基準が適用され貸借対照表日の翌日から起算して1年を超える期間を経て収益化されるものは長期前受収益として固定資産に区分され、1年未満の場合は前受収益として流動資産に区分される。具体的には、前受家賃や前受利息、前受保険料、前受保証料などがあ。

参考:企業会計原則注解:5(2)

 


仕訳例目次

1 セール・アンド・リースバック取引

 


仕訳例

1 セール・アンド・リースバック取引

・ 次の条件でセール・アンド・リースバック取引を実施した。

(1) A社(借手)は、(2)に示す自己所有の工場機械設備を、新規の設備投資の資金を得る目的で、(3)に示す条件により、B社(貸手)に売却するとともに、その全部をリースバックした。

(2) 対象資産の内容

@ 取得年月日 X0年4月1日

A 取得価額 180,000千円

B 自己(A社)の固定資産の減価償却

償却方法 定額法、取得時の経済的耐用年数 6年、残存価額 10%

C X1年4月1日の簿価

180,000千円−180,000千円×0.9×1年/6年=153,000千円

(3) セール・アンド・リースバック取引の条件

@ 所有権移転条項なし。

A 割安購入選択権なし。

B 当該物件は特別仕様ではない。

C 契約日(=リース取引開始日) X1年4月1日

D 売却価額 170,000千円

固定資産売却益 170,000千円−153,000千円((2)のC)=17,000千円

E 解約不能のリース期間 X1年4月1日から5年間

F リース料は毎年1回4月1日に均等払い(X1年4月1日を初回とする。)

年額リース料 40,769千円(注)

リース料総額 203,845千円

G 貸手の計算利子率は10%であり、借手はこれを知り得る。

H リースバック時以後の経済的耐用年数は5年である。

I 借手の減価償却方法 定額法

(4) 決算日は3月31日である。

・ 会計処理

(1) ファイナンス・リース取引の判定

@ 現在価値基準による判定

貸手の計算利子率年10%を用いてリース料総額を現在価値に割り引くと、

40,769+40,769/(1+0.1)+・・・・+40,769/(1+0.1)4=170,000千円

現在価値170,000千円/実際売却価額170,000千円=100%>90%

A 経済的耐用年数基準による判定

リース期間5年/経済的耐用年数5年=100%>75%

したがって、@(又はA)により、このリース取引はファイナンス・リース取引に該当する。

B 所有権移転条項又は割安購入選択権がなく、またリース物件は特別仕様ではないため、所有権移転ファイナンス・リース取引には該当しない。

@(又はA)及びBにより、このリース取引は所有権移転外ファイナンス・リース取引に該当する。

(2) 会計処理

A社(借手)は、資産売却の処理をした上で、実際売却価額170,000千円でリース資産及びリース債務を計上する。

資産売却益17,000千円は、長期前受収益として繰延処理する。

以後は、リース資産及び長期前受収益の償却と、[次表]に示されるようにリース債務の元本の返済、支払利息の会計処理を行う。

[表] (単位:千円)

 
回数返済日前回支払後元本返済合計元本分利息分支払後元本
1X1. 4. 1170,00040,76940,769129,231
2X2. 4. 1129,23140,76927,84612,923101,385
3X3. 4. 1101,38540,76930,63010,13970,755
4X4. 4. 170,75540,76933,6937,07637,062
5X5. 4. 137,06240,76937,0623,707
合計203,845170,00033,845

(注)適用利率年10%

X1年4月1日(資産売却・リース取引開始)

 
借方貸方
減価償却累計額@27,000,000機械及び装置180,000,000
預金/当座預金170,000,000長期前受収益17,000,000
リース資産170,000,000リース債務170,000,000
リース債務A40,769,000預金/当座預金40,769,000

@ 減価償却累計額:180,000千円×0.9×1年/6年=27,000千円

A リース債務:年額リース料の支払

工作機械の売却価額とリース物件価額は同額なので消費税は相殺してある。

X2年3月31日(決算日)

 
借方貸方
支払利息及び割引料@12,923,000未払費用/支払利息12,923,000
減価償却費A34,000,000減価償却累計額34,000,000
長期前受収益3,400,000減価償却費/長期前受収益償却B3,400,000

@ 支払利息:X1年4月1日からX2年3月31日までの未払利息計上

A 減価償却費:各年度の減価償却費の計算は、リース資産取得価額(実際売却価額)とリースバック時以後のリース期間を基準に、残存価額をゼロとして計算される。170,000千円×1年/5年=34,000千円

B 長期前受収益の償却:17,000千円×1年/5年=3,400千円

長期前受収益は、毎期のリース資産の減価償却費の割合に応じて償却され、減価償却費から控除して表示される。この結果、減価償却費は30,600千円(34,000千円−3,400千円)となる。

X2年4月1日(期首・未払利息の振り戻し)

 
借方貸方
未払費用/支払利息12,923,000支払利息及び割引料12,923,000

 

X2年4月1日(第2回支払日)

 
借方貸方
リース債務27,846,000預金/当座預金40,769,000
支払利息及び割引料12,923,000  

 

以後も同様な会計処理を行う。

 

 

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