会計やさんのメモ帳 
 

退職給付引当金

就業規則等の定めに基づく退職一時金、厚生年金基金、適格退職年金及び確定給付企業年金の退職給付制度を採用している会社にあっては、従業員との関係で法的債務を負っていることになるため、引当金の計上が必要となる。

退職給付引当金の計上法

(1) 原則法

退職時に見込まれる退職給付の総額のうち、期末までに発生していると認められる額を一定の割引率及び予想残存勤務期間に基づいて割引計算した退職給付債務に、未認識過去勤務債務及び未認識数理計算上の差異を加減した額から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債(退職給付引当金)として計上する。

(2) 簡便法

従業員が比較的少ない小規模企業等(原則として従業員300人未満の企業)では、原則法を適用することが相当の事務負担になることなどから、原則法によらず簡便法により計算した退職給付債務を用いて、退職給付引当金及び退職給付費用を計上することができる。

参考:退職給付に関する会計基準、退職給付会計に関する実務指針

 


仕訳例目次

1 退職一時金制度−適用初年度

2 退職一時金制度−適用2年度

3 退職一時金制度−適用3年度

 


仕訳例

(本設例は退職給付会計に関する実務指針から抜粋したものです。)

1 退職一時金制度−適用初年度(01年4月1日から02年3月31日)

当社は、従業員非拠出の適格退職年金制度を採用している 。

01年度の各種数値

・ 01年4月1日における数理計算による退職給付債務は10,000である。

・ X1年度の勤務費用は700、利息費用は500と計算された。

・ X1年度会計基準変更時差異の費用処理は6,000÷15年=400である。

・ X1年度における退職金支払額は200であった。

・ 02年3月31日における数理計算による退職給付債務は11,000と計算 されたため、数理計算上の差異は発生しなかった。

・ X1年4月1日の退職給与引当金は4,000であった。

(1) X1年4月1日の退職給与引当金を退職給付引当金に振替

 
借方貸方
退職給与引当金4,000退職給付引当金4,000

 

(2) X1年度退職給付費用を退職給付引当金に計上する。

勤務費用700+利息費用500+会計基準変更時差異の費用処理額400=1,600

 
借方貸方
退職給付費用1,600退職給付引当金1,600

 

(3) X1年度退職金支払時の処理

退職金支払額200は当座預金から支払い。

 
借方貸方
退職給付引当金200預金/当座預金200

 

(4) 期末時の処理

仕訳なし

 


2 退職一時金制度−適用2年度(02年4月1日から03年3月31日) 

当社は、従業員非拠出の適格退職年金制度を採用している。

02年度の各種数値

・ 02年4月1日における数理計算による退職給付債務は11,000である。

・ X2年度の勤務費用は670、利息費用は550と計算された。

・ X2年度会計基準変更時差異の費用処理は6,000÷15年=400である。

・ X2年度における退職金支払額は220であった。

・ 03年3月31日における数理計算による退職給付債務は10,500と計算 されたため、数理計算上の差異1,000が発生した。これは、未認識数理計算上の差異として繰り延べられ、翌期から平均残存勤務期間にわたり退職給付費用から控除される。

・ X2年4月1日の退職給付引当金は5,400であった。

(1) X2年度の退職給付費用を計上する。

勤務費用670+利息費用550+会計基準変更時差異の費用処理額400

 
借方貸方
退職給付費用1,620退職給付引当金1,620

 

(2) X2年度退職金支払時の処理

退職金支払額220は当座預金から支払い。

 
借方貸方
退職給付引当金220預金/当座預金220

 

(3) 期末時の処理

仕訳なし

 


3 退職一時金制度−適用3年度(03年4月1日から04年3月31日) 

当社は、従業員非拠出の適格退職年金制度を採用している 。

03年度の各種数値

・ 03年4月1日における数理計算による退職給付債務は10,500である。

・ X3年度の勤務費用は450、利息費用は630と計算された。

・ X3年度会計基準変更時差異の費用処理は6,000÷15年=400である。

・ X3年度における退職金支払額は230であった。

・ 03年3月31日における数理計算による退職給付債務は11,850と計算された。

・ X31年4月1日から給与水準の引き上げを行ったため、過去勤務債務の発生額が500であった。

・ X3年4月1日の退職給付引当金は6,800であった。

(1) X3年度の退職給付費用を計上する。

勤務費用450+利息費用630+会計基準変更時差異の費用処理額400−未認識数理計算上差異の費用処理100=1,380

 
借方貸方
退職給付費用1,380退職給付引当金1,380

 

(2) X2年度退職金支払時の処理

退職金支払額230は当座預金から支払い。

 
借方貸方
退職給付引当金230預金/当座預金230

 

(3) 過去勤務債務の費用処理

X2年度発生の過去勤務債務の当期費用処理額50を退職給付費用に計上する。

 
借方貸方
退職給付費用50退職給付引当金50

 

(4) 期末時の処理

仕訳なし

 

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