創 立 費
創立費とは、会社の負担に帰すべき設立費用、例えば、定款及び諸規則作成のための費用、株式募集その他のための広告費、株式申込証・目論見書・株券等の印刷費、創立事務所の賃貸料、設立事務に使用する使用人の手当給料等、金融機関の取扱手数料、証券会社の取扱手数料、創立総会に関する費用その他会社設立事務に関する必要な費用、発起人が受ける報酬で定款に記載して創立総会の承認を受けた金額並びに設立登記の登録税等をいう。
創立費は、原則として支出時に費用(営業外費用)として処理する。ただし、創立費を繰延資産に計上することができる。この場合には、会社の成立のときから5年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却をしなければならない。
(参考:財務諸表等規則ガイドライン36 1、実務対応報告第19号 繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い)
仕訳例
(1) 創立費の原則処理(費用処理)
設立費用1,000,000円+消費税80,000円=1,080,000円、振込手数料800円+消費税64円=864円、合計1,080,864円を普通預金から引き出した。
原則処理は発生時の費用処理であるので、繰延資産に計上されることはない。
借方 | 貸方 | ||
創立費(営業外費用) | 1,000,000 | 預金/普通預金 | 1,080,864 |
仮払消費税等 | 80,000 | ||
諸雑費/銀行手数料 | 800 | ||
仮払消費税等 | 64 |
(2) 創立費の繰延資産計上
創立費1,000,000円を繰延資産として繰り延べることにした。
借方 | 貸方 | ||
創立費(繰延資産) | 1,000,000 | 預金/普通預金 | 1,080,864 |
仮払消費税等 | 80,000 | ||
諸雑費/銀行手数料 | 800 | ||
仮払消費税等 | 64 |
(3) 創立費の償却
繰延資産とした創立費1,000,000円を償却する。償却期間は5年間、定額法とする。なお創立費は便宜上期首に支払ったものとする。
借方 | 貸方 | ||
創立費(営業外費用)(注) | 200,000 | 創立費(繰延資産) | 200,000 |
(注) 繰延資産に計上した創立費1,000,000円÷5年=200,000円